■紀の川漬・紀州べったら漬・紀州くき漬■
和歌山県北部地域(紀北)は水はけの良い肥沃な土壌に恵まれ、古くから紀州大根の産地として知られていました。
紀州大根は、柔らかな肉質と瑞々しい歯ごたえで、大根の王様と呼ばれるにふさわしいものがあります。この紀州大根は徳川御三家のひとつ、紀州公の時代から栽培されていたとの文献もあり、紀州の風土に最も適した大根として江戸時代から栽培されていたとされるほどの歴史があるのです。
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紀の川漬とは?
柔らかい実。コリコリと心地よい生地の歯ごたえ。大根の甘味が最大限に引き出された「紀の川漬」。
紀の川漬の販売開始は昭和37年。紀の川漬は、原料に肉質が柔らかくて旨み・糖度が高い紀州大根を使用し、皮を剥かずに塩漬けした後、フスマの漬け床に漬け込み、あっさり薄味で仕上げた大根漬けです。紀州大根の漬物加工品としては最も優れたものとして挙げられるほどの美味しさ。
発売開始後間もなく人気に火が付き、関西地区の問屋はこぞって紀の川漬を仕入れました。その後、各産地の早漬け沢庵、白漬沢庵の祖ともなったのがこの紀の川漬です。 |
紀州べったら漬とは?
江戸時代初期から江戸の町で作られていた、大根を糀と砂糖で漬けられた大根のこうじ漬けが『べったら漬』です。
原料の大根の皮を剥き、薄い塩で下漬けしてから、米こうじと砂糖で漬け込んだ、軟らかくて歯ごたえの良い上品な甘さの大根のお漬物です。
「紀州べったら漬」は昭和20年代頃から作り始められたもの。紀州大根を手むきにして紀州業界独自の加工方法で作りあげられています。関西地区ではそれまであまりなじみのなかったべったら漬でしたが、その豊かな甘味と紀州大根の生地を生かした歯ごたえでたちまち人気の漬物となりました。 |
紀州くき漬とは?
和歌山大根を酸味を効かせてあっさりと甘口に着け上げました。肉質が柔らかくて、パリパリした食感と、細軸の葉も全部美味しく食べられる伝統的な和歌山のお漬物です。 |